[市民葬・区民葬とは?]必ずしも最安値ではありません。メリット・デメリットまとめ

20240112_152735

[市民葬・区民葬とは?]必ずしも最安値ではありません。メリット・デメリットまとめ

 

 

市民葬・区民葬とは、それぞれの自治体により設定された定額料金で利用できるお葬式プランです。

これは各自治体が、提携した一般の葬儀社と価格を取り決めているもので、葬儀の運営主体はたいていは自治体と取扱契約を提携した指定葬儀社が行います。

 

目次

 

1 ご利用条件

2 費用は抑えられますが、必ずしも”最安値”ではありません

3 市民葬・区民葬のメリット

4 市民葬・区民葬のデメリット

 

1ご利用条件

市民葬・区民葬を利用するための条件は、自治体によって異なりますが、一般的な条件をいくつか紹介します。

  1. 居住条件: 利用するためには、その市や区に住民登録があることが多くの場合、必要条件となります。また、故人が生前にその自治体に居住していた、またはその自治体の住民であった必要がある場合もあります。
  2. 申請期間: 市民葬・区民葬の利用には、事前に申請が必要な場合があります。また、葬儀の実施日に関しても、事前に自治体や指定葬儀社に連絡し、申請を行う必要があることが一般的です。
  3. 指定葬儀社の利用: 市民葬・区民葬は、自治体が指定した葬儀社を利用することが条件となっています。そのため、利用者は指定された葬儀社との契約が必要です。
  4. プランの内容: 市民葬・区民葬は、一定の内容と料金設定で提供されるプランです。そのため、プランの内容に合意し、追加サービスなどが必要な場合は別途料金が発生することを理解しておく必要があります。
  5. 収入条件: 一部の自治体では、利用者の収入条件を設けている場合もあります。低収入の家庭が対象となることがあり、所得に応じて料金が補助される制度を設けている場合もあります。

市民葬・区民葬の利用条件や詳細は、利用を検討している自治体のホームページや直接問い合わせを通じて確認することが重要です。また、申請手続きや必要書類、利用できるサービスの範囲なども事前にチェックしておくと安心です。

 

2費用は抑えられますが、必ずしも”最安値”ではありません

  1. 固定プランの制限: 市民葬・区民葬は、自治体と提携した葬儀社が提供する固定のプランに基づいています。このプランは一般的な葬儀の基本サービスをカバーしているものの、限られたオプションしか含まれていないため、追加の要望がある場合は別途費用がかかります。その結果、トータルの費用が市場の最安値より高くなる可能性があります。
  2. サービス内容の違い: 市民葬・区民葬と他の葬儀プランとを比較した場合、サービスの質や内容が異なることがあります。最安値のプランは、サービスが限定されているか、質が低い場合もあります。そのため、価格だけでなく提供されるサービスの内容も総合的に考慮する必要があります。
  3. 葬儀社の選択肢: 市民葬・区民葬は、自治体が指定する葬儀社のみが提供します。一方で、市場には多数の葬儀社が存在し、競争によってさまざまな価格のプランが提供されています。このため、より広範囲から選べば、さらに低価格の葬儀プランを見つけることが可能です。
  4. 地域による価格差: 市民葬・区民葬の料金は、提供する自治体によって設定されます。地域によっては、生活費の高さが反映された価格設定となるため、他地域の最安値プランと比較して高くなることもあります。
  5. 補助金の有無: 一部の自治体では、低所得者向けに葬儀費用の補助制度を設けている場合があります。しかし、これらの補助を利用できない場合、市民葬・区民葬の料金が最安値ではなくなることもあり得ます。

市民葬・区民葬を選択する際には、これらの点を考慮し、自身のニーズに合った葬儀サービスを選ぶことが重要です。また、事前に複数の葬儀社のプランと料金を比較し、総合的なコストパフォーマンスを検討することが望ましいでしょう。

 

3市民葬・区民葬のメリット

市民葬・区民葬のメリットには以下のような点があります。

  1. 適正価格での葬儀が可能

市民葬・区民葬は、自治体と提携した葬儀社によって提供されるため、適正な価格設定で葬儀を行うことができます。これにより、無理なく経済的な負担を抑えて、故人を送り出すことが可能となります。

  1. 明確な料金体系

提携している葬儀社と自治体があらかじめ定めたプランに基づいて葬儀が行われるため、料金体系が明確です。追加料金が発生しにくく、事前に葬儀の総費用を把握しやすいという利点があります。

  1. 安心のサポート

自治体が指定する葬儀社は、一定の基準を満たした業者のみが選ばれるため、信頼性が高いと言えます。また、葬儀のプロフェッショナルがしっかりとサポートしてくれるため、葬儀の準備や進行において遺族の負担を軽減できます。

  1. 利用しやすい

市民葬・区民葬は、その自治体に住む市民や区民であれば利用することができます。特に、葬儀に関する知識が少ない方や、急な葬儀の必要が生じた場合でも、安心して利用できる体制が整っています。

  1. 地域社会への貢献

市民葬・区民葬を利用することで、地域社会の一員としての連帯感を感じることができます。また、地域に根ざした葬儀社を利用することにより、地元経済への貢献にもつながります。

これらのメリットにより、市民葬・区民葬は多くの市民・区民にとって、故人を送る選択肢の一つとして考えられます。しかし、利用する際には、サービス内容や料金、利用条件などをよく確認し、自身のニーズに合った葬儀を選ぶことが重要です。

 

4市民葬・区民葬のデメリット

市民葬・区民葬が持つデメリットには以下のような点があります。

  1. 利用できる葬儀社が限定される

市民葬・区民葬は、自治体が指定した葬儀社によってのみ提供されるため、選択肢が限られます。そのため、もし指定された葬儀社が遺族の希望に合わない場合でも、他の葬儀社を選ぶことができないという制約があります。

  1. カスタマイズの自由度が低い

定額プランで提供されるため、葬儀の内容に関してカスタマイズの自由度が低くなります。特定の宗教や文化に基づいた葬儀を行いたい場合、または細かい部分までこだわりたい場合には、制限を感じる可能性があります。

  1. 最安値ではない場合がある

市民葬・区民葬は適正価格で提供されることが多いですが、その価格が必ずしも市場の最安値であるとは限りません。他の葬儀社やプランと比較した場合に、より安価で葬儀を行える可能性もあるため、事前の比較検討が必要です。

  1. 利用条件が厳しい場合がある

市民葬・区民葬を利用するためには、特定の条件を満たす必要があります。たとえば、その自治体の住民であることや、所定の申請手続きを行うことなどが要求される場合があり、これらの条件が利用の障壁となることもあります。

  1. 追加費用が発生する可能性がある

基本プランは定額で提供されますが、実際には遺族の要望に応じて追加のサービスを利用することになりがちです。その結果、最終的な葬儀費用が当初の予算を上回ることも少なくありません。

市民葬・区民葬は、経済的な負担を軽減しつつ、適切な葬儀を行うための一つの選択肢です。しかし、その利用にはデメリットも伴うため、葬儀を行う際には、自身のニーズや条件を慎重に検討し、最適な選択をすることが大切です。

 

長久山安詳寺 僧侶
福島県出身
30代まで飲食店を経営していたが仏教に関心を持ち、僧侶に。
タイやカンボジアなど海外の仏教徒を通じ国際貢献活動も積極的に行う。