焼香の作法について
目次
葬儀に関して知ってるようでよく知らない事は結構あるようで、その中でも焼香の作法はよく質問させることが多い内容のひとつです。同じ仏教であっても焼香に関しての考え方は宗派によって違う面もあります。葬儀の場面では焼香に案内された後に前の人の所作を真似て乗り切ったと自慢げに話していた友人もいました。また、知り合いの外国人の方は全く所作がわからずつまんだ焼香を口にいれてしまい文字通り苦い思いをされたそうです。実際、葬儀の席で作法を注意されることはないかもしれませんが知っていて損はありません。ここではそんな焼香の作法について詳しく説明いたします。
焼香の作法について
- 1焼香とは何か解説します
- 2形式によって違う焼香の作法
- 3宗派ごとによる焼香回数って違うのか
- 4宗教による違いお焼香編
- 5知っておきたい焼香の順番
- 6焼香の時の数珠の持ち方、使い方
- 7焼香の時の注意点
- 8焼香に関するよくある質問とは
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焼香とは何か解説します
焼香(しょうこう)は、香を焚くことで仏教の儀式や礼拝の一環として行われる行為です。香を焚くことによって、心身を清め、仏や亡くなった方々に対する敬意と供養の意を示します。焼香は、仏教だけでなく、他の宗教や文化においても、香を用いる儀式や習慣が存在します。 香の煙は、清浄さを象徴し、悪霊や邪気を払い、心を落ち着けるとされています。焼香は、仏前での礼拝や葬儀、法要、日常の祈りなど、さまざまな場面で行われます。 基本的な焼香のやり方はこのようになっています。
① 焼香台の前に立ち、一礼します。
② 左手に数珠を持ち、右手で香をつまみます。
③ つまんだ香を額に軽く押し当ててから、香炉に入れます。
④この動作を数回繰り返し、再び一礼します。
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形式によって違う焼香の作法
焼香には、いくつかの形式があります。それぞれの形式に応じた手順を紹介します
立礼焼香
- 焼香台の前に立ち、一礼します。
- 左手に数珠を持ち、右手で香をつまみます。
- 額に軽く当ててから香炉に入れます。
- 再度一礼します。
座礼焼香
- 座ったまま、焼香台の前に移動します。
- 一礼し、数珠を左手に持ちます。
- 右手で香をつまみ、額に当ててから香炉に入れます。
- 一礼して元の位置に戻ります。
3. 宗派ごとによる焼香回数って違うのか
仏教の各宗派において、焼香のやり方や回数には違いがあります。以下に主要な宗派の例を挙げます
**浄土真宗** – 香を一回だけつまんで香炉に入れます。
**曹洞宗** – 香を三回つまんで香炉に入れます。
**真言宗** – 香を三回つまんで香炉に入れ、額に当てます。
**日蓮宗** – 香を三回つまんで香炉に入れますが、額には当てません。
4. 宗教による違いお焼香編
他宗教でも香を用いる儀式がありますが、仏教の焼香とは異なる点が多いです。
例えば: **神道** – 香ではなく、榊(さかき)や塩を用います。
**キリスト教** – 通常、香を用いることはありませんが、カトリックや正教会ではミサの一部として香を焚くことがあります。
5. 知っておきたい焼香の順番
焼香を行う際の順番は、通常、年長者から行います。葬儀や法要では、親族や参列者が前に出て焼香を行う順番が定められています。
6. 焼香の時の数珠の持ち方、使い方
数珠は左手に持ち、左手の親指と中指の間にかけて持ちます。右手は香をつまむために自由に使います。
7. 焼香の時の注意点
静かに行い、周囲の雰囲気を尊重します。 – 香をつまむ際は、無駄に多くつままないようにします。 – 他の参列者の動きを妨げないように注意します。
8. 焼香に関するよくある質問とは
Q: 焼香の回数に決まりはありますか?
A: 宗派によって異なりますので、事前に確認するのが良いでしょう。
Q: 焼香の際に言葉をかけるべきですか?
A: 通常、言葉を発することはありませんが、心の中で祈りを捧げます。
Q: 数珠がない場合はどうすれば良いですか?
A: 数珠がない場合は、そのまま手を合わせて焼香を行います。
このように、焼香は宗教的な意味を持ち、正しい作法で行うことが重要です。各宗派や宗教に応じたやり方を理解し、適切に行うことが求められます。
長久山安詳寺 僧侶
福島県出身
30代まで飲食店を経営していたが仏教に関心を持ち、僧侶に。
タイやカンボジアなど海外の仏教徒を通じ国際貢献活動も積極的に行う。