創価学会のお葬式。友人葬ってどんな葬儀なの?
目次
皆さんは「友人葬」というスタイルの葬儀をご存じでしょうか。お経も唱えているし、お焼香も普通に案内されたけれどお坊さんではなく参列している人たちでお経を唱えていたという葬儀に参列したことがあればそれが「友人葬」だったかもしれません。ここでは創価学会員の葬儀の形である「友人葬」について詳しくご説明いたします。
①友人葬の特徴とは
友人葬は、創価学会の信仰を持つ人々によって行われる葬儀形式です。特に仏教の僧侶を招かず、信徒同士で行われるのが特徴です。この形式の葬儀は、故人と信仰を共有する友人や家族が主体となり、敬虔な祈りを捧げる場となります。
②お坊さんを呼ばないで行う
友人葬の最大の特徴は、お坊さんを呼ばない点です。代わりに、参列者全員が一体となって題目を唱えることで、故人を偲びます。これは、創価学会の教えに基づき、仏や菩薩に頼るのではなく、自らの信仰心で故人を弔うという考え方に基づいています。
③全員で題目を唱えるスタイルで進行
友人葬では、参列者全員が一緒に「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」という題目を唱えます。これにより、故人の霊を慰め、平安を祈ります。この共同の唱題は、信仰を共有する仲間同士の絆を強める重要な儀式となります。
④お花でなく樒(しきみ)が使われる
友人葬では、しばしば「樒(しきみ)」という植物が使われます。これは仏教の儀式で使われることが多く、清浄を象徴する植物です。樒は、仏前に供えられることが多く、故人への敬意と祈りを表現します。
⑤友人葬の実際の流れ
友人葬の典型的な流れは以下の通りです。
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開式の辞
開式の辞では、葬儀の開始を告げ、参列者に対して故人の生前の功績や人柄を簡単に紹介します。
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読経・唱題
続いて、経典の朗読や題目の唱和が行われます。これにより、故人の成仏を願います。
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焼香
参列者は順番に焼香を行います。これは、故人に対する敬意を表す行為です。
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御祈念文・題目三唱
御祈念文を朗読し、再び全員で題目を三回唱えます。
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弔電紹介
故人への弔意を表す電報やメッセージが紹介されます。
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導師の挨拶
導師が挨拶を行い、故人への想いを述べます。
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遺族の挨拶
遺族が感謝の意を表し、参列者へのお礼を述べます。
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題目三唱
再度、全員で題目を三回唱えます。
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閉式の辞
閉式の辞では、葬儀の終了を告げます。
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出棺
最後に、故人の棺が運び出されます。
⑥友人葬のマナーとは
友人葬では、参列者全員が一体となって故人を弔うため、礼儀正しく振る舞うことが求められます。静かに、そして敬意を持って行動することが重要です。
⑦お寺を呼ばないからお布施はいらない
友人葬では、お布施を必要としません。これは、僧侶を招かないためです。
⑧香典はいらない?
友人葬では、香典も必要ありません。これは、金銭的な負担を避けるための配慮です。
⑨数珠は自分のものよい?
友人葬では、数珠を持参することが一般的です。自分の数珠を使用しても問題ありません。
⑩友人葬での服装は?
友人葬の服装は、一般的な葬儀と同様に、黒い喪服が推奨されます。
⑪「怖い」と思われる理由
友人葬が「怖い」と感じられることがあるのは、普段の葬儀とは異なる形式や儀式のためです。また、宗教的な背景に対する理解不足や、題目を唱える行為が異質に感じられることもあります。
⑫まとめ
友人葬は、創価学会の信仰に基づく特別な葬儀形式です。僧侶を招かず、参列者全員で題目を唱えることで故人を弔うのが特徴です。この形式は、信仰を共有する仲間同士の絆を深め、故人への敬意と祈りを込めたものです。礼儀正しく、心を込めて参列することが重要です。
長久山安詳寺 僧侶
福島県出身
30代まで飲食店を経営していたが仏教に関心を持ち、僧侶に。
タイやカンボジアなど海外の仏教徒を通じ国際貢献活動も積極的に行う。