よく聞くけどわからない。互助会って何?

相談

1. 互助会って何?冠婚葬祭費の前払いで積み立てるシステム

互助会(ごじょかい)とは、主に冠婚葬祭にかかる費用を前払いで積み立てる仕組みを提供する組織のことです。
経済産業省が認可する「経済産業省認可冠婚葬祭互助会」が代表的で、結婚式や葬儀など人生の節目となるイベントの費用をあらかじめ計画的に準備するための制度です。
互助会の会員は、毎月一定額を積み立てることで、必要な時に割安な価格で冠婚葬祭サービスを受けることができます。特に近年では、葬儀費用を抑える手段として互助会が注目されています。

花束


2. 互助会の仕組みと掛け金について

仕組み

互助会は、会員が毎月一定額の掛金を支払うことで、冠婚葬祭に関するサービスを利用する権利を得る仕組みです。支払った掛金は、互助会が提供するプランに応じて積み立てられ、一定額を積み立て終わるとそのプランを利用できるようになります。

たとえば、葬儀の互助会では、「家族葬プラン」や「一般葬プラン」など複数のプランが用意されており、必要な時に積み立てた金額分のサービスを利用できます。

費用

掛金はプランによって異なりますが、一般的には月々1,000円〜3,000円程度が多く、総額は20万円〜50万円程度が一般的です。
掛金の例:

  • 月々2,000円の掛金を10年間(120回)積み立てる → 総額24万円
  • この積み立て金で、実際に葬儀を行う際にかかる費用を割安に抑えられます。

ただし、掛金だけでは足りない部分(オプション費用など)が発生する場合もあるため、契約時に注意が必要です。

式場


3. 葬儀における互助会のメリットとは

  1. 計画的な費用準備が可能
    • 毎月少額を積み立てるため、一度に大きな出費をせずに済みます。急な葬儀費用への不安が軽減されます。
  2. 割引や特典が受けられる
    • 互助会の会員は、一般価格よりも割安な料金で葬儀を行える場合が多いです。追加オプションも会員価格で利用できることがあります。
  3. 提携施設やサービスの利用が便利
    • 葬儀会場、火葬場、霊柩車の手配など、互助会提携の施設やサービスをスムーズに利用できます。
  4. 生前に準備ができる
    • 高齢者が自分の葬儀費用を準備する手段として利用することが一般的です。遺族に金銭的負担をかけずに済む点が大きなメリットです。
  5. 全国対応が可能な場合も
    • 大手の互助会では、全国の提携施設を利用できるため、転居があっても利用しやすい仕組みがあります。

4. 葬儀における互助会のデメリットとは

  1. 解約時の返金が少ない
    • 積み立てを途中で解約する場合、手数料が引かれるため、実際に戻ってくる金額が少ないことがあります。
  2. 掛金だけで全費用がまかなえない
    • 基本プランに含まれる内容が限定的なため、追加費用(料理代、返礼品代など)が発生することがあります。
  3. 利用できる施設が限定される
    • 提携施設でしかサービスを利用できないため、希望する式場や地域での葬儀が難しい場合があります。
  4. プランの自由度が低い
    • プラン内容があらかじめ決まっているため、細かなカスタマイズができない場合があります。

5. 葬儀の互助会を選ぶときに気を付けること

  1. 経済産業省の認可を受けているか確認
    • 認可を受けている互助会は信頼性が高いです。
  2. 掛金と総額を比較
    • 月々の掛金が安くても、総額が高くなりすぎないよう注意しましょう。自分の予算に合ったプランを選ぶことが重要です。
  3. サービス内容の確認
    • プランに含まれる項目(会場使用料、祭壇、僧侶の手配など)を確認し、必要な内容が網羅されているかをチェックしてください。
  4. 口コミや評判を調査
    • 実際に利用した人の意見やインターネットでの口コミを確認し、トラブルの有無やサービスの質を調べましょう。
  5. 解約条件の明確さ
    • 万が一解約する場合の手続きや返金額について、契約前にしっかり確認しておくことが大切です。

6. 互助会を解約したいとき

互助会を解約する際には、以下の手順が一般的です:

  1. 解約申請書の提出
    • 契約した互助会に解約を申し出て、専用の申請書を記入・提出します。
  2. 必要書類の提出
    • 本人確認書類や契約時の書類(契約書、会員証など)を用意します。
  3. 手数料の確認
    • 解約時には所定の手数料が差し引かれるため、返金額がどの程度になるのか確認が必要です。
  4. 返金の受け取り
    • 解約後、所定の期間内に返金額が振り込まれる場合が多いです。

参考:知っておきたい互助会の解約手数料はどれくらいかかる?トラブルが起こる前に


7. 互助会解約の時に気を付けること

  1. 返金額が少ない場合がある
    • 解約手数料が高額になることが多く、積み立てた金額の全額が戻るわけではありません。
  2. 解約手続きに時間がかかる
    • 手続き完了までに数週間〜数ヶ月かかる場合があります。
  3. 特典の消失
    • 解約すると会員特典や割引が無効になるため、再加入が必要な場合は損をすることがあります。
  4. 契約内容を事前に確認する重要性
    • 契約時の条件をしっかり確認しておかないと、後々のトラブルにつながる可能性があります。

8. 葬儀に備えて互助会に加入するか考えておくことも必要

互助会は、冠婚葬祭費用を事前に準備し、負担を軽減するための有力な選択肢です。特に高齢者にとっては、自分の葬儀費用を計画的に積み立てることで、家族への経済的負担を軽減することができます。また、早い段階で加入すれば、月々の負担が少なく済むため、将来に備えて検討する価値があります。

葬儀負担


9. まとめ

互助会は、冠婚葬祭の費用を前払いで積み立てることで、将来の費用負担を抑える制度です。その仕組みやメリット・デメリットを正しく理解し、自分のニーズに合ったプランを選ぶことが重要です。加入時には契約内容を慎重に確認し、解約条件や追加費用の発生についても把握しておきましょう。人生の節目を安心して迎えるために、互助会の活用を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

 

長久山安詳寺 僧侶
福島県出身
30代まで飲食店を経営していたが仏教に関心を持ち、僧侶に。
タイやカンボジアなど海外の仏教徒を通じ国際貢献活動も積極的に行う。