知っておきたい互助会の解約手数料はどれくらいかかる?トラブルが起こる前に

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互助会は、冠婚葬祭の大きな費用に備えるための積立プランを提供するサービスです。しかし、解約時の高額な手数料やサービス内容に関する不満が多く、特に葬儀に関するサービスでは、予想外の追加費用や契約の不透明さが問題となっています。この記事では、互助会の基本的な仕組みから、解約方法や関連するトラブルに至るまで、互助会の全体像を深く掘り下げ、加入前に知っておくべき重要な情報をお伝えします。

1:聞いたことあるけどわからない「互助会」とは?

互助会は、正式に「冠婚葬祭互助会」と呼ばれ、成人式、結婚式、葬式、法要などに対応するために少額の費用を積み立てておくサービスです。保険とは異なり、積立てたお金で直接サービスを受ける仕組みになっています。この制度は1948年の横須賀市冠婚葬祭互助会に始まり、大きな支出に備える新しいビジネスモデルとして広まりました。

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互助会の仕組みでは、毎月わずかな掛け金を積み立て、葬式や結婚式などに備えます。掛け金の額や支払い回数はプランによって異なり、一般的には月に2,000~5,000円を48~120回程度支払います。料金を完納すると、すぐにサービスを利用する必要はなく、永久に利用権が保証されます。また、互助会に加入していなくても、葬儀サービスを受けられるように設けられている葬儀社も多いです。

互助会は急な支払いに対応するための仕組みであり、葬儀を行う義務はありませんが、まとまった支払いを軽減できるため、多くの人に利用されています。

2:互助会のメリット

互助会には複数のメリットがあります。

  1. 急な出費に対応できる:互助会では、毎月の掛け金を積み立てておくことで、葬儀や結婚式の費用の不安を減らすことができます。契約内容によっては、基本的な葬儀費用が通常よりも3割から5割ほど割引されることもあります。
  2. 家族全員がサービスを受けられる:一人の家族が互助会に加入していると、同居している他の家族もサービスを受けることができます。ただし、互助会のサービスは1契約につき1回のみ利用可能です。
  3. 物価変動に強い:互助会は物価変動の影響を受けにくい構造を持っています。契約時のサービス内容は、物価上昇があっても契約時の掛金で利用できるよう保証されています。
  4. 会員特典がある:互助会によっては、ホテル宿泊費や遊園地利用料の割引、介護用品の利用料割引、人間ドック費用の割引など、多岐にわたる会員特典が提供されます。

これらのメリットは、互助会が提供する安心と経済的なサポートの側面を反映しており、加入者にとって価値ある選択肢となる可能性があります。

3:互助会の気を付けるべき点

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互助会には複数の注意点があります。

  1. お金の利用範囲が限られる:互助会で積み立てたお金は提携サービスの形で利用できますが、そのため積立金を引き出したり提供サービス以外に利用することはできなくなります。つまり、互助会への積立ては他の目的に振り向けることができないということです。
  2. プランが限定される:互助会で用意されている葬儀プランは限定されていて、低価格のプランは少なく、高価なプランが多く用意されています。そのため、希望通りの葬儀が行えない場合もあります。
  3. 積立金のみで葬儀が行えないことも:毎月の積立金だけでは葬儀費用の全てを賄えないケースがあります。仮に積立金だけで葬儀を行った場合、非常に規模が小さく、グレードの低い葬儀になる可能性があります。追加費用が発生する場合もあり、100万円単位の追加料金が必要になることもあるようです。
  4. 互助会の破綻リスク:互助会の運営がうまくいかず経営が破綻すると、積み立てた金額の半額のみが返還される可能性があります。また、解約時には積立金から解約手数料を差し引かれ、全額返還されない場合が多いです。

これらの点を考慮すると、互助会に加入する際は慎重に検討し、契約内容を十分に理解した上で決定することが重要です。

4:なぜ互助会の評判が悪いと言われるのか

互助会に関する悪い評判は、そのサービス自体が違法であるからではなく、主に契約内容やサービスに関する誤解や不満に基づいています。以下の点が悪評の主な原因です:

  1. 高額な解約手数料:互助会を解約する際には、積立金の15~20%の手数料がかかることが多く、多くの参加者にとって意外で不満の原因となっています。
  2. 葬儀社の選択制限と割高な費用:互助会の会員は、提携する葬儀社でしか葬儀を行えず、これらの葬儀社は一般的に高額な料金を設定していることがあります。
  3. 解約が難しい:解約手数料が高額なため、実質的に解約が困難であると感じる会員も多くいます。
  4. 積立金だけでは葬儀費用を賄えない:互助会に加入しても、積立金だけでは葬儀の全費用をまかなえず、追加料金が必要になる場合があります。
  5. 後継者への負担:互助会に加入したことが葬儀後に発覚し、解約に手間がかかることが遺族に負担をもたらすこともあります。

これらの理由から、互助会には慎重な検討が必要で、代わりに普通の貯金や保険を選択する人もいます。

5:互助会を本人が解約するには

互助会を解約するための手続きは、加入者本人または代理人によるものと、解約代行サービスを利用する方法があります。これらの手続きには、いくつかの重要なステップが含まれています。

1.加入者本人による解約:

・加入者本人が解約を申し出ます。

・必要な書類には、解約申請書、加入者証(会員証)、本人確認書類のコピー(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード、年金手帳

など)、印鑑、口座情報(返金の振込先)が含まれます。

・解約の流れとしては、互助会に解約を申し出た後、解約申請書を郵送または窓口で提出し、互助会から返金を受けることになります。

2.代理人による解約:

・加入者本人が手続きを行えない場合、代理人が行うことができます。必要な書類は本人が解約する場合とほぼ同じですが、加えて委任状と加入者本人の印鑑証明も必要です。

3.解約代行サービスの利用:

・トラブルを避けたい場合や時間がない場合は、互助会の解約代行サービスを利用することができます。このサービスは行政書士、法律事務所、葬儀社などによって提供され、手数料は約1万円前後が一般的です。しかし、葬儀を条件に無料で代行してくれる業者も存在します。

解約時には解約手数料が発生します。これは積立金の約15~20%で、積立金の全額が戻るわけではありません。さらに、解約申請書を受理してからの返金は法的に45日以内が義務づけられており、経済産業省はできれば15日以内に返金するよう努力することを推奨しています。

また、過去には消費者団体から提訴された結果、積立金の2割に及ぶ解約手数料が違法であるとの判決が出されたこともあります。このように互助会の解約は複雑であり、契約時には注意が必要です。

6:互助会の解約したい人はなぜ多いのか

互助会の解約を望む人が多い理由は、いくつかの重要な要因に基づいています。

  1. 費用が安い葬儀社で済ませられることへの認識:多くの人々は、葬儀に関する費用を節約するために互助会に入会しますが、後に身内だけの小規模な葬儀を行うことになり、費用が安い葬儀社で十分であると気づき、互助会を解約することを選ぶことが増えています。これは、互助会の葬儀費用が高く感じられることが原因の一つです。
  2. 契約の内容や解約時のトラブル:多くの人々が互助会の解約を考える理由として、他の葬儀社で葬儀を行うことになった、急にお金が必要になった、または加入者が死亡した後に家族が互助会への加入を知り、他の葬儀社で葬儀を行った場合などがあります。これらの状況は、互助会が提供するプランが個々のニーズに合わないことを示しています。また、葬儀に関するこだわりがあり、それが互助会の定形プランでは実現できない場合、または葬儀を行う方針が
  3. 大きく変わった場合にも、解約を考える人がいます。さらに、月々の掛け金の支払いが難しくなった場合も、解約の理由として挙げられます。

これらの理由から、互助会の解約を検討する人が多いことがわかります。互助会の葬儀費用が予想よりも高かったり、契約の内容が明確でなかったり、個々のニーズや状況の変化に対応できないことが、多くの人々が解約を検討する主な要因となっているようです。

7:よく耳にするトラブルは以下の通りです。

互助会に関連するよく耳にするトラブルは以下の通りです:

  1. 契約内容と実際のサービスが異なる:互助会の葬儀プランが、実際のニーズや期待に対して適合しない場合があります。互助会は特定の葬儀社と提携しているため、会員が別の葬儀社を選ぶ自由が限られることがあります。
  2. 追加サービスの販売が多い:互助会での葬儀は、積立金だけでは足りず、追加費用が必要になるケースが多いです。多くの人々は互助会に加入することで全ての葬儀費用を賄えると誤解していますが、実際には追加金が必要です。
  3. 解約時の手数料が高額:互助会を解約する際には、積立金の15~20%の手数料がかかることが多く、これが多くの参加者にとって不満の原因となっています。
  4. 解約方法が分かりにくい:互助会の解約プロセスは複雑で、多くの場合、契約書の小さい文字や複雑な条項が解約を困難にしています。
  5. 加入者が亡くなった場合の解約対応:加入者が亡くなった後に家族が互助会の加入を知り、解約に関して問題が生じるケースもあります。互助会に加入していたことが葬儀後にわかり、解約に手間がかかることが遺族に負担をもたらすこともあります。

これらのトラブルは、互助会のサービスに関する契約内容の不明瞭さ、解約時の高額な手数料、サービスの限定性などに起因しています。これらの事例は互助会に関する検討を行う際の重要な考慮事項です。

 まとめ

互助会に加入することは、葬儀を比較的安価に行う一つの手段です。しかし、解約方法の複雑さや高額な解約手数料といったトラブルも少なくありません。ですので、互助会への加入を検討する際は、まず約款を入念に読み、理解しきれない部分は担当者に確認を。トラブルを避け、安心して加入するためには、事前の情報収集と納得が不可欠です。この記事が、皆さんの賢い選択の参考になれば幸いです。

長久山安詳寺 僧侶
福島県出身
30代まで飲食店を経営していたが仏教に関心を持ち、僧侶に。
タイやカンボジアなど海外の仏教徒を通じ国際貢献活動も積極的に行う。