詳しく解説します。お布施の相場は?作法は?内訳は?

お布施包

葬儀や法事、戒名授与などの際に重要な役割を果たす「お布施」。しかし、多くの方がお布施の相場や正しい作法について疑問を持っています。の記事では、お布施の本質から始め、具体的な金額の相場、包み方、渡し方、そして寺院に関連する追加費用に至るまで詳しく解説しています。葬儀や法事を前にしているあなた、または将来の準備として知識を深めたいあなたに、お布施に関する全てを紹介します。この記事を最後まで読んで、適切なお布施の準備と実施に役立ててください。

1:お布施とは何か?

お布施とは、一般的には僧侶に読経をしてもらったり戒名を授与してもらったりした際に、謝礼として渡す金銭のことを指します。しかし、お布施という言葉は金銭だけに限らず、見返りを求めずに施されるもの全てを意味し、人のためにできることも含まれます。

お布施を入れる袋には、白無地の袋や水引がついた袋などがあります。白無地の袋は手に入りやすく、宗派や仏事に制限なく利用できますが、地域によっては水引のない袋を使わない場合もあるため、事前の確認が必要です。

お布施の表書きの書き方では、封筒や奉書紙の上部中央に「御布施」と縦書きで記載し、下部中央には送り主の氏名か名字を記入します。渡す際は、手渡しではなく、お盆や袱紗(ふくさ)の上に置いて渡すことが一般的です。

このように、お布施はただの金銭的な贈り物ではなく、感謝の気持ちや敬意を表す重要な慣習であり、適切な方法で行うことが求められます。

2: お布施の相場がわからない

多くの僧侶は、お布施に関して「お気持ちで」と答えることが一般的ですが、実際には地域や宗派によって異なる相場が存在します。具体的な金額を聞き出さずとも、相場を把握していれば適切な額をお渡しできます。葬儀時のお布施の相場は10万円から50万円程度と幅広いですが、これには地域差が大きく影響します。詳しくはこの後、葬儀や戒名授与、法要ごとの具体的な相場について解説していきます。この情報を知ることで、僧侶への感謝を適切に表現することが可能になります。

3: 葬儀(葬式、通夜、告別式、火葬)のお布施の相場

葬儀時のお布施は、僧侶への謝礼として渡す金銭で、地域や宗派によって金額に幅があります。お布施は僧侶への仕事の依頼料ではなく、感謝の気持ちを示す金銭として捉えられます。そのため、お布施の金額には決まりがなく、金額相場は葬儀の場合10万円から50万円程度とされていますが、地域や宗派によって異なるため、自身の地域と照らし合わせて確認することが大切です。

地域別のお布施の相場を具体的に見ると、北海道、東北、中国、四国、九州地方では通夜・葬儀・告別式のお布施が15万円程度、関東や近畿地方では20万円程度とされています。法事や法要のお布施は3万円から5万円程度、お車代(交通費)は5000円から1万円程度が相場です。さらに、戒名料は戒名の位によって異なりますが、10万円から100万円以上まで幅があります。

また、2020年の調査によると、お布施の金額の平均値は約23.7万円で、1万円以上10万円以下が27.6%、11万円以上20万円以下が22.7%を占めています。これらのデータは、お布施の相場を考える際の参考になるでしょう。

参考:株式会社鎌倉新書「第4回お葬式に関する全国調査(2020年)平均費用や選ばれた葬儀の種類、会葬人数まで幅広いデータを速報値で開示」より

このように、葬儀のお布施は地域や宗派によって幅があり、その相場はさまざまです。しかし、重要なのは金額そのものではなく、僧侶への感謝の気持ちを表すことです。適切な金額を見積もる際は、地域の相場や寺院の指導を参考にすると良いでしょう。

 4:戒名授与の相場

戒名授与に関連するお布施の相場について、さまざまな宗派やランクごとの詳細情報を提供します。戒名とは、仏教徒が亡くなった際に授けられる新たな名前で、故人が仏弟子として仏門に入ったことを示します。戒名授与に伴うお布施は、故人やその家族が寺院や僧侶への感謝の気持ちを表すために行われます。

宗派ごとの戒名授与のお布施相場

以下は宗派ごとの戒名授与のお布施相場を表にしたものです。

司式者に挨拶

宗派 信士・信女 居士・大姉 院信士・院信女 院居士・院大姉
浄土宗 30~40万円 50~60万円 70万円以上 上限なし
真言宗・天台宗 30~50万円 50~70万円 80万円以上 100万円以上
日蓮宗 30~50万円 100万円以上
浄土真宗 20万円から
臨済宗 30~50万円 50~80万円 100万円以上
曹洞宗 30万円以上 50~70万円 100万円以上 100万円以上

戒名のランクが高いほど、一般的にお布施の額も高くなる傾向にあります。

戒名のランクと金額

戒名には様々なランクが存在し、ランクが高いほどお布施の額も高くなります。例えば、一般的な「信士・信女」のランクで5万円程度、より高位の「院居士・院大姉」のランクでは40万円以上が相場とされています。

生前戒名料

生前戒名は亡くなる前に授けられる戒名です。この方法は、通常よりもお布施が低額に抑えられる傾向があります。地域や宗派により異なりますが、相場は大体5万円から40万円程度です。

お布施の包み方と表書き

お布施はのし袋に入れて渡します。5本か7本の紫銀の水引がついたものを選び、ハスの花の印刷がされているものがベストです。表書きには「御戒名料」と記載します。

注意点とポイント

・戒名は仏弟子になった証しであり、ランクによって構成が異なります。高位の戒名を望む場合は、寺院に高額の寄進や改修費用の寄付などを行うことが効果的です。

・戒名授与に伴うお布施は、地域や規模によって異なりますが、一般葬で150万円、家族葬で100万円程度になることが多いです。

・納骨の際には、寺院の僧侶から戒名をつけてもらうことになります。また、夫婦で同じお墓に入る場合は、戒名のランクを揃えるのが一般的です。

戒名授与に関するお布施は、故人への尊敬と感謝の表現であり、その額は個々の状況や寺院との関係性に応じて変わります。戒名授与の際は、故人の生前の様子や人柄、職業なども考慮されるため、家族や親しい人たちの思い出話が大切な役割を果たすこともあります。

 5: 法要での金額相場

法要におけるお布施の相場は、行われる儀式や節目によって異なり、地域や宗派によっても違いがあります。以下は、さまざまな法要に対するお布施の一般的な相場です。

法要の種類 お布施の相場
四十九日法要 3~5万円
一周忌法要 3~5万円
三回忌法要 1~5万円
七回忌法要 1~5万円
納骨式 1~5万円
お墓の開眼供養 1~5万円
墓じまい 3~5万円
初盆 3万円~5万円
お盆 5千円~2万円
お彼岸(個別法要) 3万円~5万円
お彼岸(合同法要) 3千円~1万円
魂抜き・魂入れ法要 1万円~5万円
百箇日法要 3万円~5万円

法要の様子

この表は、様々な法要におけるお布施の一般的な相場を示しています。この相場は、地域や宗派によって異なる可能性があるため、実際に行う際には、関連する寺院や葬儀社との事前の相談を行いましょう。

その他のポイント

・お布施は、何かの対価として支払うものではなく、感謝の気持ちを伝えるために気持ちを包んで渡すものです。

・初七日法要の場合は、葬儀と同日に行われることも多く、別途お布施が必要です。

・新盆やお盆のお布施は、一般的に親族のみで行われることが多く、お布施の相場は5,000円~1万円です。

これらの情報は、一般的なガイドラインとして参考になりますが、最終的な金額は、故人や家族の意向、地域の慣習、お寺との関係によって変わる可能性があります。法要の際には、事前にお寺や葬儀社に相談することをお勧めします。

 6: お布施の他に寺院に用意しておくべき費用とは

お布施以外にも、寺院での葬儀や法要に関連して必要となる費用がいくつかあります。これには施設利用料、檀家料、追加儀式や特別なサービスに関連する費用などが含まれます。

 寺院に関連する追加費用の概要

1.施設利用料:

・法要施設使用料: 1万円~3万円

・金蓮寺会館の利用料金: 2日間で5万円

・大安寺の施設利用料金: 利用時に加算される暖房料などの追加料金があり

2.檀家料:

・年間の檀家料: 10,000円~100,000円

3.その他の費用:

・年間管理費: 5,000円~20,000円(お墓の場合)

・離檀料: 一般的に10万円前後

・預骨費: 5万円、預骨管理費年間5千円

これらの費用は、寺院によって異なる可能性があり、地域や宗派、寺院の規模や設備によっても変わります。また、葬儀や法要の規模や内容によっても費用が変動するため、事前に寺院や葬儀社に確認しておくことが重要です。

特に、施設利用料は法要の場所や規模によって大きく変わることがあり、別途食事や飲食の手配が必要な場合もあります。また、特定の施設や設備の使用には追加の料金が発生する場合もあるため、事前の見積もりや相談が必要です。そして、これらの費用はお布施とは別に考慮する必要があります。

7: お布施の渡す上での作法

お布施を渡す際の作法やタイミングは、寺院との良好な関係を維持する上で非常に重要です。以下に、その詳細な手順とマナーについて詳しく説明します。

お布施の渡し方とマナー

献灯

  1. 挨拶を添えて渡す: お布施を渡す時には、最初に挨拶の言葉を添えることが大切です。例えば、葬儀や法事の前には「この度の葬儀(〇〇回忌)につきまして、お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします」といった挨拶が適切です。葬儀や法事の後では「本日は無事、葬儀(〇〇回忌)を執り行うことができました。お心のこもったおつとめをありがとうございました」といった言葉が好ましいです。
  2. 袱紗に包んで持ち運ぶ: お布施は袱紗(ふくさ)に包んで持ち運びます。弔事の場合、袱紗は紺、グレー、深緑など落ち着いた色を選び、紫色の袱紗は慶事・弔事どちらでも使用できます。
  3. お布施の渡しタイミング: お布施を渡すタイミングは、葬儀や法事によって異なります。葬儀の場合、一般的には葬儀が始まる前の挨拶の時や葬儀が終わった後に渡すことが多いです。法事の場合は、法事が始まる前や終わった後、または食事が終わった後に渡すことが一般的です。
  4. お布施のお金の入れ方: お布施は奉書紙や白無地の封筒で包みます。お札の向きを揃え、奉書紙の表書き側に肖像が来るようにします。新札を使用することが望ましいです。
  5. 表書きの書き方: 仏式の場合は表面の上部に「お布施」「御礼」「読経料」「御回向料」のいずれかを記入し、下段には喪主のフルネームまたは家名を入れます。裏面には住所を記入し、金額については記入する必要はありませんが、明記すると相手側に親切です。
  6. お布施の渡し方: お布施は、袱紗に包んでお盆や切手盆に乗せて渡します。直接手渡しは避け、封筒の向きが僧侶から見て正面になるようにします。袱紗をお布施の座布団代わりにして、両手で差し出し、受け取られたら片付けます。

これらのマナーを守ることで、故人に対する敬意を示すとともに、寺院との良好な関係を維持することができます。

まとめ:

お坊さん読経

この記事では、お布施の本質的な意義、具体的な相場、作法やタイミング、さらに寺院へのその他の費用について詳細に解説してきました。お布施は僧侶への感謝や敬意を表す重要な習慣であり、寺院とは葬儀後も続く長いお付き合いの一環です。そのため、お布施の意味やマナーを正しく理解し、失礼のないように振舞うことが大切です。この知識を活用して、故人への敬意と寺院との良好な関係を築くために、適切なお布施の準備を行なっていきましょう。

長久山安詳寺 僧侶
福島県出身
30代まで飲食店を経営していたが仏教に関心を持ち、僧侶に。
タイやカンボジアなど海外の仏教徒を通じ国際貢献活動も積極的に行う。

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