葬儀の流れを解説。臨終~通夜、告別式、四十九日忌まで
目次
葬儀の大まかな流れは通夜→葬式→火葬→初七日法要→散会が一般的です。
亡くなってから葬儀が終わるまでの平均日数は3日~5日と言われています。
臨終の瞬間から葬儀当日、葬儀直後、葬儀後とそれぞれ準備が必要となります。
葬儀前後の準備や手続きも多岐にわたるため、限られた時間のなかで行動がしなければなりません。
ただ必ずしも前もって身近な人のご危篤やご逝去について考えておく時間があるとも限りません。急な事態に慌てないよう、葬儀の流れを学んでおき備えておくと安心です。
葬儀は人生において避けて通れない大切な儀式の一つです。突然の危篤や逝去に直面した際、混乱しないためにも、葬儀の流れを理解しておくことは非常に重要です。以下に、臨終から四十九日忌までの大まかな流れと、それぞれの段階で必要となる準備や手続きについて解説します。
1.臨終からの葬儀の流れ
人が亡くなる瞬間を臨終と呼びます。臨終が確認された後、まずは医師による死亡診断書の作成を受け、葬儀社への連絡、遺体の安置の手配を行います。この段階で、葬儀の日程や形式、宗教的な儀式の有無など、基本的な方向性を決めておく必要があります。
2.危篤から臨終・葬儀準備へ
危篤の知らせを受けたら、家族や親しい人たちが集まり、最期の時間を共に過ごします。同時に、葬儀社に事前相談を行い、葬儀の大枠を決めておくことが望ましいです。この準備段階では、葬儀の日時、場所、式の規模、予算などを考慮に入れます。
3.通夜・告別式(葬儀)
通夜は故人を偲び、遺族や親しい人たちが夜を徹して故人の側にいる儀式です。翌日には告別式が行われ、故人との最後の別れをします。これらの儀式では、故人の生前の姿を偲びつつ、遺族や友人が故人への感謝の意を表します。
4.出棺・火葬・収骨まで
告別式の後、遺体は棺に納められ、火葬場へと運ばれます。火葬後、遺骨を拾い(収骨)、遺族は骨壺に納めます。この段階では、火葬場の手配や骨壺の準備など、具体的な手続きが必要となります。
5.散会
葬儀の最後には、参列者が故人を偲びながら食事を共にする時間が設けられることがあります。これは、遺族と参列者が互いに慰めあい、故人の思い出を語り合う大切な時間です。そして、食事が終わったら散会となります。
6.葬儀が終わったら
葬儀が終わった後には、遺族が行うべきさまざまな手続きがあります。これらの手続きは故人の意志や生活環境、遺産の状況によっても異なりますが、以下に一般的なものをまとめました。
①遺言書の確認
- 対象: 故人が遺言書を残している場合
- 内容: 故人が遺言書を残していた場合、その内容に従って遺産分割や手続きを行います。公正証書遺言の場合は公証役場で、自筆証書遺言の場合は家庭裁判所で検認手続きが必要です。
②遺産分割協議
- 対象: 故人の遺産がある場合
- 内容: 故人の財産(不動産、預貯金、株式など)を、法定相続人が話し合いによって分割します。遺言書がない場合や、遺言書に基づいても協議が必要な場合に行います。
③年金や保険の手続き
- 対象: 故人が年金受給者や保険契約者の場合
- 内容: 故人が受け取っていた年金の停止手続きや、死亡保険金の請求手続きを行います。それぞれの年金事務所や保険会社に問い合わせ、必要書類を提出します。
④銀行口座の解約・名義変更
- 対象: 故人名義の銀行口座がある場合
- 内容: 故人名義の銀行口座に関して、解約や遺族への名義変更を行います。銀行ごとに必要な書類や手続きが異なるため、直接銀行に問い合わせます。
⑤不動産の名義変更
- 対象: 故人名義の不動産がある場合
- 内容: 不動産登記簿上の名義を相続人に変更します。法務局で手続きを行い、相続登記を完了させます。
⑥故人の契約解除
- 対象: 故人が様々な契約を結んでいた場合
- 内容: 携帯電話契約やインターネットサービス、公共料金など、故人名義の契約を解除します。
葬儀後の手続きは、遺族にとって精神的にも肉体的にも負担が大きいものです。必要に応じて専門家(弁護士、税理士など)のアドバイスを受けながら、無理のない範囲で進めることが重要です。また、手続きにはそれぞれ期限が設けられていることが多いため、期限を過ぎないように注意が必要です。さらに、故人が加入していた各種サービスや契約についても、個別に解約や手続きの方法を確認し、適切に対応しましょう。
⑦メールやSNSのアカウント処理
- 対象: 故人がインターネットサービスを利用していた場合
- 内容: 故人のメールアカウントやSNSアカウントの処理を行います。サービス提供者によっては、故人のアカウントを遺族が引き継ぐことや、閉鎖するための手続きが用意されています。
⑧葬儀費用の精算
- 対象: 葬儀を行った遺族全員
- 内容: 葬儀社からの最終的な請求書に基づき、葬儀費用の精算を行います。費用の内訳を確認し、不明点があれば葬儀社に問い合わせましょう。
⑨葬儀のお礼状の送付
- 対象: 葬儀に参列してくれた人や、香典をくれた人
- 内容: 葬儀に参列してくれた人や、香典を送ってくれた人への感謝の気持ちを込めたお礼状を送ります。可能であれば、個々の人に合わせた文面で感謝の意を表しましょう。
葬儀が終わった後の手続きは多岐にわたり、遺族にとっては大きな負担となります。しかし、これらの手続きを通じて、故人の最後の意向に沿った形で事務的な処理を完了させることができます。全ての手続きが終了するまで、故人への思いを新たにしながら、一つひとつ丁寧に進めていきましょう。また、手続きの進行状況や完了した事項は記録しておくと、後で確認する際に役立ちます。不明点があれば、関連する機関や専門家に相談することで、スムーズに手続きを進めることができるでしょう。
7.なぜ葬儀を行うのか
葬儀は遺族や友人が故人との別れを受け入れ、心の整理をするための重要なプロセスです。また、故人への最後の敬意を表す行為として、社会的・文化的な意義も大きいものがあります。葬儀を通じて、遺族や参列者は故人の人生を振り返り、その意義を共有することができます。さらに、故人への感謝の気持ちを形にすることで、残された者たちの心の癒しとなるのです。
8.もしもの時に備えて事前に葬儀の流れを確認しましょう
葬儀の流れと準備は、地域や宗教、家族の伝統によって異なります。そのため、自分たちの価値観や条件に合った葬儀を執り行うためには、様々な情報を収集し、準備を進めていくことが重要です。亡くなった人への敬意を表し、遺族が心の平和を得るための葬儀を目指して、準備を進めましょう。
長久山安詳寺 僧侶
福島県出身
30代まで飲食店を経営していたが仏教に関心を持ち、僧侶に。
タイやカンボジアなど海外の仏教徒を通じ国際貢献活動も積極的に行う。